「街」と出会って/Aさん 記
週刊「街ニュース」258号(1998年1月29日発行)
 私は、うつ病です。うつ病になったのは、会社に入って半年後のことです。一番嫌だったのは、社員の皆に、私が怠けていると思われたことです。でも僕は「やる気があるのに、できないのです」

母に連れられて、私が初めて沖縄料理店・チャンプルー街に行ったのが、作業所「街」へ関わるようになった第一歩でした。その時、赤羽さん(ハネやん)が、私に言ったのが「励ましちゃいけないんだよな」でした。私は、この言葉が大変うれしかったです。

会社では「怠け病」と思われていて、友人からも「気のせいじゃないの」とか、「お前、頑張れよ」と言われ、父にも最初は「ぜいたく病」だと言われ嫌な思いをしました(今はうつ病のことを理解していてくれます)。私にとって、「頑張れとか、元気出せ」とかの励ましの言葉が一番つらいのです。

「街」に行った時、久良木さんに会って話をしました。「同級の男友達をつくれ」とおっしゃいました。その後で久良木さんが分裂病だと聞いてビックリしました。私の偏見ですが、分裂病は、二重人格のように思えましたが、そういう病気ではないことに気づきました。

自分は今まで、時の流れるままの人生でしたが、「うつ病」になったおかげで、いろいろな人と巡りあい、物をゆっくり見られるようになりました。そして「生きる」とは、「自分にとってどういうことなのか」と自問するようになりました。

さて、「街」の事ですが、私は大変お世話になりました。「関町ケアネットワーク」で相談員の府川さんと出会って、いろいろ自分の病気についても相談にのってくれました。

またリサイクルショップ「街」でも、いろんな病気に関わっている人が、一生懸命働いている姿を見ました。そして私は、もつと早く、ここに来れたなら良かったのにと思いました。

「街」は、健康な人と病気の人が一緒になって活動している。また「関町ケアネットワーク」で、みんなと話す時、とても楽になれます。なぜなら病名をかくす必要がないからです。こういう場所が、もっとあればいいのに、と思いました。

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彼は「オープンスペース街」のメンバーではないのですが、「街」「関町ケアネットワーク」「チャンプルー街」をとても上手に利用してくれています。


地域との「つなぎ」の役目


「オープンスペース街」のボランティアを始めてから、早いもので約5年になります。その間メンバーの方もずい分入れ替わりとなりましたが、辞めて行った人たちが「今どうしてるかなぁ」とときどきなつかしく思い出されます。

現在のメンバーの方もみんな個性豊かな方ばかりで、わたしたちとも仲良く相談し合ってお店の運営に携わっております。
主な仕事は、地域の方の寄付してくださった品物の値段付けや販売ですが、メンバーの方が汚れているガスレンジやストーブなど見違えるほどきれいに磨いて下さるのには、いつも感心させられています。

先日、「街」の活動がビデオになって紹介されましたが、ボランティアの人がメンバーの方たちと一緒になって、仲良く楽しく活動している様子がお分かりいただけたと思います。

ボランティアとして週に1回お手伝いするだけですが、職員の方とメンバーとのミーティングの会話が時にはチラホラと耳に入ります。職員の方が親身になってお世話している様子に心を打たれ、真剣にお話し合っている雰囲気にとても熱気が感じられます。

「オープンスペース街」の良いところは、地域の人々とメンバーの方々との「交流」にあることだと思いますが、その「つなぎ」の役を私どもボランティアがしていると考えますと身の締まる重いです。ますます「街」の事業が発展していくよう微力を尽くしたいと思っています。(河井記)


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