厚生省の「アンケート」に思うこと
週刊「街ニュース」第263号(1998年3月2日発行)

厚生省の「精神障害者」向けのアンケートがあります。そのアンケート用紙とアンケートを入れる封筒に「ナンバー」が付いていました。
アンケートには名前を書かない事になっているのですが、それにナンバーが付いていて、共同作業所の職員が別の「黄色い用紙」に個別に転記する事になっています。その黄色い用紙は、各ナンバーごとに1枚ずつあり、職員が1件1件アンケートを転記します。

自分は、アンケートに事前にナンバーが付いているのは「変だ」と思いました。
自分は、ナンバー付のアンケートを出した側の方より、アンケートを受ける側の方々に主張したい事があります。

自分と同じように、ナンバー付のアンケートが変だと感じた方は、「変なものは変だ」と一緒に主張する事を手伝って欲しいです。

自分はアンケートを出した側とケンカをするつもりで言ってるのではなく、アンケートにできれば協力したいと思っています。ただ、配慮をして欲しいのです。


なぜ、変と思ったのか @

最近のTVニュースによると、銀行の顧客リストが名簿業者に売られたそうです。売った犯人は情報を盗んだ事ではなく、リストの紙を盗んだ窃盗罪でつかまったそうです。

ニュースの解説によると、情報社会に現行の法律が追い付いてなく犯人を処罰をする法律がまだないそうです。そう言った時世の中で、事前に相手を特定できる今回のアンケートは、キケンだと思います。

アンケートの質問の中には、「生活保護」を受けているかどうかと言った内容もあります。生活保護は、原則として秘密で行われるものですが、油断をすると、そういう事もアンケートで記入していまうハメにあってしまいます。

なぜ、変と思ったのか A

最近、各種類の当局が、個人情報を吸い上げようとしているそうです。
例えば、納税者背番号制度とか。NTTのナンバー・ディスプレーも、いたずら電話防止の為のものらしいですが実は業者が個人情報を知りやすい仕組になっているそうです。そういった一連の流れの中に、今回のアンケートもあると思います。

 「精神障害者」の人権

以前、アパートを借りようとした時に、最初に「自分が精神障害者である」ことを説明して、大家さんに体よく断られたことがありました。その時、ある「人権・権利擁護の電話相談室」に電話をしました。 

「そう言った大家さんのアパートは、借りない方がよいのだけと、それにしても、自分は社会に対して(*自分の思いを訴えるために)何ができるのか、その選択肢を考えて欲しい」
と相談しました。答えは、

「一つには、裁判を起こす事が出来る。その際には、一人で裁判を起こすと力が弱いので、日弁連(日本弁護士連合会)や全家連(全国精神障害者家族会連合会)といった大きな所と一緒になって行った方が効果は大きいです。そして裁判の勝ち負けよりも、社会に一石を投じるという意味で動いた方が良いです」
というアドバイスをいただきました。

   ナンバー付アンケートが変だ、と思った人達は

   一緒に声を上げて下さい!

    当事者の保護者・ご家族の皆さんも

    共に声を上げる形で応援して下さい!


   編 集 後 記

『チャンプルー街』で皆で話している時、同席していた他の作業所のメンバーの人から、こうしたアンケートがあることを知らされ早速ニュースに掲載しました。ご感想・ご意見を下さいね!


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