本の紹介『練馬に生きて』私が経験した部落の生活・差別・解放運動萩原 栄吉<著>練馬人権センター<編・発行> |
『一言で言えば、「何の意味もない」ということだ』(「はじめに」より) ………長年にわたって、私を最も苦しめてきたのは、こうした食っていくための苦労ではなかった。 部落民は何故「のけ者」にされるのか。なぜ「よつ」「ちょうりんぼう」「かやんぼう」と呼ばれ蔑(さげす)まれるのか。そのイワレは何なのか。私と仲間たちはなぜ差別の屈辱を耐えなければならないのか。 「部落ってなんだ」という、いくら考えても答えの出ない、誰も教えてくれない「疑問」に苦しんだ。答えのない疑問を抱えたまま、私は自分の出身を隠し、37歳まで生きてきた。 37歳で、部落解放同盟練馬支部に入り、先輩から教えられたり、自分なりに勉強して、長年自分を苦しめてきた「部落差別」が何なのか、初めてわかった。 一言で言えば、「何の意味もない」ということだ。 ……中略……あらゆる差別は残酷であり、差別される人を傷つけるだけでなく、差別する人の人間性をも蝕(むしば)むものだということを、分かりあえる関係を築きたい。 分かりあえるためには、まず、出会い、知り合うことから始めなければならない。 そういう思いで、私はこの本を書いた。私が経験した部落の生活、仕事、差別、解放運動の話が、部落解放と一切の差別をなくす運動に何らかの役にたつなら、これにまさる喜びはない。………後段略…… 本書は、練馬人権センター機関紙「じんけん」に掲載したものを、加筆・整理したものです。萩原さんが、いかに部落差別の中を生き抜き、いかにして「人は人に会わなければならない」という信念を得たのか、その過程をたどることは、全ての人に大きなはげましになると確信しています。「競争ではなく共生を」への営みの中に本書が足跡を残すことを願ってやみません。<編集委員会> この本のお問い合わせ・ご注文は下記までお願いします。 1,部落解放同盟練馬支部 176−0001 練馬区練馬4−2−3 厚生文化会館内 電話 03−3991−5455 月火木金 9:00〜17:00 2、同上気付、練馬人権センター 電話 03−3557−2949 月・木 19:00〜21:00 <この本は、解放書店でも取り扱っております。 ご注文は、電話 03−5603−1861まで> 3、「オープンスペース街」 電話 03−3928−1378 「チャンプルー街」 電話 03−3928−0417 |
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