「全国ハート・ネット」ができた経過    
        (週刊「街ニュース」第 3 0 2 号 (1999年1月16日発行)より   

昨年の3月末に「街」のホームページの中にできた、誰もが自由に書き込むことのできる掲示板『心の広場』には9ケ月間で2万人弱の人が訪問してくれました。

 『心の広場』では毎日、いろいろな悩みや相談が行われてきました。大都市では病院や保健所のデイケアや共同作業所など社会資源がそれなりに揃っています地方で暮らす当事者にとって、通院するのに数時間かかるとか、地域に一か所しかない病院の医者と折り合いが付かなくて通院ができなくなっている人、一度も通院したことがない人、数年間も「引きこもり」生活を余儀なくされている人、無理解な家族から暴力を受けつづけている人など周りに理解者がいなくて、他者・社会とのコミュニケーションの唯一の手段としてインターネットの世界に集まってくるたくさんの若者たちと出会いました。福祉や精神医療と無縁の数十万人の若者が存在しているのではと思います。

 「街」では、そうした若者たちが数週間「街」に留学・研修・見学するためのショーステイ・宿泊の場として「街」の前のマンションの一室を借りて、昨年5月「ステイ街」をオープンしました。大阪のMさんが最初の留学生として宿泊したのを皮切りに、北は北海道から、南は九州まで 「ステイ街」に宿泊しました。

2番目の留学生は千葉の青年でした。彼の母親がしていたインターネットを通じて「街」のことを知り7年近い「引きこもり」「入院」生活に終止符を受つために「ステイ街」に来ました。彼は「街」の京都旅行&京都にある共同作業所「YOUYOU館」との交流に参加し、2週間の研修を終え「街」の近くにアパートを借り自立生活を始めました。そして今はアルバイトについて本格的な自立に向けて奮闘しています。

 その間、全国の当事者から、「街」への参加希望、見学、電話相談が殺到しています。大阪からSOSの発信がありハネやん&則子さんが新幹線に飛び乗ったこともありました。こうしたやり方では、とても「街」独力で対応しきれないと判断して、全国の仲間たちと連携を取りながら「サポート態勢」を作り上げるために、昨年12月にインターネット情報センター『全国ハートネット』を結成することにしました。 

 インターネット情報センター『全国ハートネット』は、ただ情報を流せばいいのでしょうか。ホームページに掲載する「気軽に行ける場、相談・電話相談のできる場」が『本気でサポートしよう』という意思と行動力にあふれていてほしいと思いました。そこで全国で草の根的に活動しているグループに「是非、協力してください」と要請をしました。最初に東京下町患者会「新松橋亭同人」が、次いで京都の前進友の会が協力要請に応じてくれました。
  『全国ハートネット』の結成を呼び掛けたすぐ後の12月5日には大阪で「関西版『街』を作ろう!」というインターネット仲間たちが第1回の会合を持ちました。現在は関西だけでなく西日本にも広がり、1月24日には結成大会が開かれます。
 患者会をはじめ、地域で地道で着実に活動を続けているグループ、キリスト教・仏教関係者等、これまでの「枠」や「壁」を越えて参加を表明してくれました。

(1月13日現在)

 


亀 戸      下町患者会「新松橋亭同人」
江戸川       とぽす響きの会
江戸川       『遊人永屋・こどく館』
練 馬       「街」グループ
世田谷       喜多見教会(土・日)
多 摩       あきのティー・パーティー
その他               いのちの電話

             
こころの夜間電話相談

             
      
自殺防止センター
練馬区の女性センター
練馬人権センター(交渉中)
神奈川         YAPPYさん
名古屋         サポートネットワーク・坂神さん
京 都         たまりば・らくよう
京 都        前進友の会
四 国       ごかい
九 州    2ケ所(準備中)

インターネット情報局
全国ハート・ネット
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